論説

企業も職場環境の改善を 介護と仕事両立、8割「不安」

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 家族の介護と自身の仕事の両立に、県民の8割が不安を抱えているとの調査結果を県がまとめた。介護の問題は先の見通しが立ちにくく、長期的な対応が求められる場合が多い。介護のために仕事を辞めざるを得ない「介護離職」は毎年約10万人に上る。こういった現状の打破へ、企業には介護をしながらでも働ける職場環境づくりが求められる。

 調査は昨年末にインターネットで実施し、成人136人(95%が40歳以上)が回答した。

 仕事と介護の両立に「非常に不安がある」(47・8%)、「不安がある」(31・6%)を合わせると79・4%だった。また、実際に介護をしているのは1割強だったが、近い将来に介護を想定している人は7割強に上った。

 「介護離職」となれば、経済的負担は大きく、本人と家族が生活困窮に陥るケースがある。今年1月1日に施行された改正育児・介護休業法は、離職を考えなくても介護のための時間を生み出せるようにする制度だ。介護者が改正点を学び、有効活用したい。

 従来は要介護状態の家族1人につき介護休業は原則1回だけだったが、3回まで分けて取得できるようになった。日数の上限は93日間で変わらないが、介護がより必要になる時期に合わせて使い分けが可能となった。また介護終了まで残業の免除を申請できる制度や勤務時間の短縮、さらに半日単位での休暇取得も盛り込まれた。

 ただ、制度はあくまで両立を支える手段であり、職場の労働環境の改善が優先される。企業には長時間労働の是正や在宅勤務の導入など柔軟な勤務形態や、気軽に相談できるような体制の整備を早急に進めてほしい。

 「介護離職ゼロ」は首相が掲げる政策の柱の一つ。改正では介護に伴う休暇取得の際、上司らから嫌みを言われて休暇が取りにくくなることを避けるため、事業主にハラスメントの防止措置を講じたのも注目すべき点だ。県の調査でも「上司の理解など個別事情を認め合う職場風土」が6割強を占め、「費用補助」「在宅勤務制度」「正社員などで優先的に再雇用」なども会社への要望の上位を占めた。企業の上流から意識が変わり、社員の介護を支援できる企業風土の醸成が急がれる。