論説

活動の支援で地方創生へ 「船橋市時活村」特別賞

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 主に定年後の男性サラリーマンの居場所づくりに取り組んでいるNPO法人「船橋市時活村(じかつむら)」が、「第7回地域再生大賞」の特別賞として表彰された。「1億総活躍」や「働き方改革」などのスローガンの陰に隠れてしまった感のある「地方創生」。しかし、住民の自主的活動からの底上げで地方から日本を立て直す創生を遂げずして、人口減少は食い止められない。全国各地で地方創生に向け活動する団体を社会全体で顕彰、支援していきたい。

 同賞は2010年度、地方新聞45社と共同通信社が設けた。第7回までの受賞は計350団体となり、地域づくりの輪を着実に広げている。

 「時活村」は1995年、任意団体として発足。会員は2月20日現在で350(女性55)人で、男性が優に8割を超えている。60~80歳までの睡眠時間を除いた“自遊”な約10万時間で仲間とのネットワークをつくり、地域に溶け込んでもらう活動をしている。

 発足から22年で、花見、遠足などの年間行事は約40プログラムとなり、延べ参加者数は年1万人を突破。健康寿命を延ばすことで医療費の抑制に、外出行事の飲食や買い物などで地域経済にも寄与している。

 同賞の選考委員長は全国の入賞団体の取り組みについて「行政の補完的な機能も果たしている」と講評。確かに少子高齢化、過疎化は行政の従来手法だけでは解決が難しい。このため、新たな手法を見いだし実践する民間活力は補完的に必要だ。

 過疎化に伴う地方の疲弊は、人口移動でも示される。住民基本台帳に基づく2016年の人口移動報告で、東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)は21年連続で転入超過となり、一極集中に歯止めがかからない。

 地方創生の本来の狙いは、地方での雇用創出で一極集中を是正し、人口減少を食い止めることにある。大賞に輝いた「都岐沙羅パートナーズセンター」(新潟県)は行政や住民、企業を取り持ち、地元資源を生かしたユニークなビジネスを生み出し、若者の回帰に貢献している。

 地方創生の特効薬は、残念ながら見当たらない。地元を活性化するのは、結局はそこに暮らす人々。「主役は住民」という意識づけをするためにも、民間活動を応援していきたい。