論説

覚書順守し安全策の徹底を オスプレイ整備開始

  • 1
  • LINEで送る

 陸上自衛隊木更津駐屯地で米海兵隊の新型輸送機「MV22オスプレイ」の国内初の定期整備が始まった。オスプレイは昨年12月、沖縄県名護市の浅瀬に不時着、大破する事故を起こしたばかり。安全確保へ万全の態勢で取り組むのは無論、防衛省や米軍などが取り交わした覚書の順守を強く求める。

 覚書は、飛行や格納庫内外での整備作業の時間を平日の午前8時半から午後5時までとした。時間外となる場合は事前申請が必要で、夜間の騒音発生については十分配慮するという。ただ、オスプレイを巡る過去の経緯をみれば『十分な』などというあやふやな文言には不安もつきまとう。

 名護市沖の事故からわずか6日後に飛行を再開した米軍は「事故原因は機体の問題ではない」としたが、根強い批判や反対がなお渦巻いている。木更津市の渡辺芳邦市長も「国民の不安払しょくには情報提供が不十分」と指摘した。市民の生命を預かる立場として当然だろう。

 先月30日、同駐屯地にオスプレイが到着する際も、防衛装備庁は当初、「午後に2機が飛来する」と発表していたが、「米軍の都合により」実際は1機のみ。こうした不確実な情報伝達の積み重ねは、多くの国民・県民の不信を生む。

 定期整備は、5年に1回程度必要となる大規模な分解点検を行うもので、年5~10機程度を1機当たり3、4カ月の工期で整備し、試験飛行させるという。その対象は普天間飛行場に所属する計24機で、順次、整備される見通しだ。

 さらに、日本政府が2018年度までに佐賀空港に配備する計画の陸上自衛隊オスプレイ17機の定期機体整備も、24年度から同駐屯地で始まる見込み。

 今後、相当な回数に上るとみられる試験飛行については「東京湾南部か相模湾の上空を利用し、陸地の上空は飛ばない」ことを確認したという。履行はもちろんだが、万一の事故など非常事態が起きた場合、防衛省からの連絡は迅速かつ詳細に行われなければならない。

 不時着後の運行再開を受け、渡辺市長は「国が安全を確認できたと言っている以上は信じていくしかない」と述べた。県民、市民の信頼を裏切らないよう、これまで以上に丁寧な説明、情報提供が必要だ。