論説

危機感持って再発防止を 後絶たない教員不祥事

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 全国的に教職員の不祥事が後を絶たない。県内では2015年度に前年度のほぼ倍となる25人が懲戒処分を受けた。未来を担う子どもを指導する責務がある教職員は高度な規範意識を有しているはずだが、不祥事に歯止めがかからないのはなぜか。即効性のある対策は難しいとしても、県などの自治体や教育委員会はこれまで以上に危機感をもって再発防止に取り組む必要がある。一握りとはいえ、不祥事によって子どもに与える不信感は計り知れない。

 文部科学省によると、47都道府県の教育委員会を対象にした調査で、15年度に懲戒処分を受けた教職員は943人に上る。前年度からわずか9人減っただけで、高水準のままだ。

 県内では25人と前年度より13人増え、全国で6番目に多かった。中でもわいせつ事案は11人と4番目に多い。他は体罰や個人情報の紛失などだった。25人の懲戒処分の内訳は免職9、停職9、減給3、戒告4。わいせつでは6人が免職、5人が停職。訓告87人を合わせると、処分は計112人になる。

 一方、県教委によると、16年度も既に昨年12月時点でわいせつに絡む8件の事案で懲戒処分を下したことを明らかにした。男子児童の下腹部を触った県北西部の小学校の男性教諭や、勤務する中学校の女子生徒にキスをした県北西部の男性教諭が、それぞれ免職となった。また今月18日には女子生徒を竹刀で殴るなどの体罰を繰り返したとして、県南の中学校の男性教諭が停職6カ月の処分を受けた。規律が緩んでいると言わざるを得ない。特にわいせつは、子どもの心の傷を考えると卑劣だ。

 県教委はこれまでリーフレットの作成や研修会などを通じて不祥事の根絶を目指してきた。今後も各種研修や校長との個別面談で綱紀粛正を訴えていくことを明らかにした。

 ただ、問題が頻発する以上、従来の取り組みを見直し、再発防止策を再検討する必要があるのではないか。そのためには他の職種より長時間傾向にある勤務を改善し、教職員同士のコミュニケーションといった観点からも意見交換を重ね、組織的に不祥事を生み出す要因がないのか検証すべきだろう。何より一人一人の自覚が肝要とはいえ、職場の“風土”も不祥事を起こす一因担っていることは否めない。