論説

思いやり運転で汚名返上を 県内交通死ワースト2位

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 2016年に千葉県内で起きた交通事故の死者数は185人(前年比5人増)で、本県は愛知県(212人)に次いで全国ワースト2位。生活圏内での高齢者被害が目立ち、子どもが被害に遭う痛ましい事故も。汚名返上に向けて、一定の効果を上げているハード面対策は継続しながら、思いやりのある運転の励行や飲酒運転撲滅といった県民の意識改革などソフト面のさらなる対策推進が必要だ。

 警察庁のまとめによると、16年に全国で起きた交通事故の死者数は3904人。前年より213人少なく、1949年以来67年ぶりの3千人台になった。48年の統計開始以降で3番目に少なく、最多70年の1万6765人の4分の1以下と激減した。

 それでも65歳以上の高齢者の死者数は2138人で、全体の54・8%。高齢者の割合が統計を始めた67年以降で過去最高になったことは大きな問題だ。

 県警交通総務課によると、県内の交通死者数のうち高齢者は99人で53・5%と過半数を占めた。特に自宅から500メートル以内の生活圏で、早朝・夜間の散歩や昼間の買い物、通院などで道路横断中に被害に遭っているケースが多い。全国傾向と同様の課題の解決が求められる。

 全国の交通死者数減少は、自動ブレーキなど車の性能向上、交差点の見通しを良くする道路改良、見やすいLED信号機の整備が進んだ結果-と警察庁では分析しているが、増加した県内は対策継続と推進が必要だ。

 さらに、高齢者に事故防止を意識してもらい、薄暮時の反射材の利用呼び掛けや交通安全教育の普及なども広めたい。併せてドライバーにはライトの早めの点灯、ハイビームの活用、高齢者の歩行を見掛けたら徐行・安全確認をするなどの思いやり運転の励行、飲酒運転撲滅の啓発・取り締まり強化も進めるべきだ。

 県内の警察署管内別の死者数では、市原(12人)柏(10人)茂原(10人)香取(9人)成田(9人)が上位。以前は市原、茂原、佐原の3市を『三原(さんばら)』といい、県内で交通死多発が常態化している地域を指した。信号機のない見通しの良い交差点で「大丈夫だろう」と互いに譲らず進入した惨事が目立った。今も事故多発傾向は変わらないが、ドライバーの意識改革で減少させたい。