障害者、自らの判断で子宮摘出 「優生思想に洗脳されていた」

1人暮らしをする自宅で取材に応じる中村薫さん=4月18日、富山市

 障害者らへの不妊手術を定めた旧優生保護法が存在していた1980年に法の対象外なのに自らの判断で子宮の摘出手術を受けた脳性まひの女性が当時の思いを証言した。富山市の中村薫さん(60)。「優生思想に洗脳されていた」と語り「手術しなければ子どもを産めたかも」と悔やむ。

 8歳で石川県内の障害者施設に入所。13歳の時に初潮を迎えたが、自分で処置できず、介助する職員に嫌な顔をされた。「赤ん坊も産めんくせにこんなもんあったって、しゃあない」。毎月のように聞かされた。「障害者に生理はあってはいけないものだ」と信じ込み、22歳の時、自ら希望して子宮摘出手術を受けた。


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