鳥へと進化し生き延びる 絵本「羽毛恐竜」刊行

絵本「羽毛恐竜 恐竜から鳥への進化」(大島英太郎作、真鍋真監修、福音館書店)

 恐竜の一部は絶滅せず、現在の鳥へと進化し生き延びているという最新の研究をもとに描かれた絵本「羽毛恐竜 恐竜から鳥への進化」(大島英太郎さん作)が刊行された。大島さんが恐竜や鳥の姿を絵で描き、進化の過程を文章で説明、読みごたえのある内容になっている。

 1996年、中国の遼寧省で鳥のような羽毛を持つ恐竜シノサウロプテリクスの化石が見つかり研究者らも驚かせた。その後、羽毛を持つ恐竜の化石は続々と発見されている。ディロングやカウディプテリクスなど体の長さが1〜2メートルぐらいの小型の恐竜が多い。

 ディロングなどは肉食恐竜ティラノサウルスの仲間。ティラノサウルスにも羽毛があったと考えられるようになった。

 2003年には鳥に近い姿の恐竜ミクロラプトルの化石が見つかった。前脚にも後ろ脚にも羽毛があり翼のような形をしている。木から木へムササビのように滑空していたのではないかと考えられている。この発見で鳥は、ミクロラプトルの仲間から進化したのではないかという説が強くなった。

 現在ではどこまでが恐竜でどこからが鳥なのか境界を引くのが難しくなっているという。最新研究では、化石の保存状態が良ければ、恐竜の色も分かるようになってきた。巻末には、監修を務めた国立科学博物館の恐竜研究者の真鍋真さんの詳しい解説も付いている。

 福音館書店刊、1620円。


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