石牟礼道子さん追悼の集い 熊本・水俣、患者らお別れ

石牟礼道子さんの遺影の前で話す半永一光さん(左)=24日午後、熊本県水俣市

 四大公害病の一つ、水俣病の過酷な世界を描いた代表作「苦海浄土」で知られ、2月に90歳で亡くなった作家石牟礼道子さんを追悼する「おくりびとの集い」が24日、熊本県水俣市の交流施設もやい館で開かれ、水俣病患者ら多くの人が集まり別れを告げた。

 石牟礼さんが患者らと立ち上げた「本願の会」が開催。約180人が集まった会場には遺影が置かれ、水俣病認定患者で、同市立水俣病資料館の「語り部の会」会長の緒方正実さん(60)は「私たち患者の心の傷をどれだけ癒やしてくれたか。道子さんの『純粋な気持ちで真実を話して』という言葉を忘れず、水俣病を語り継いでいきます」と語り掛けた。


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