東電に賠償命令も上積み少なく 避難者訴訟、福島いわき支部判決

原発避難訴訟の判決を受け、福島地裁いわき支部前で垂れ幕を掲げる弁護士ら=22日午後、福島県いわき市

 東京電力福島第1原発事故の避難者訴訟で東電に賠償を命じた福島地裁いわき支部は22日、「過酷な避難生活で精神的損害を受けたのは明らかだ」として、原告216人のうち213人に計約6億1千万円の支払いを認定した。地域社会そのものが奪われたことへの「ふるさと喪失」慰謝料も認めたが、大部分は東電が賠償済みとして大きな上積みはなかった。

 同種の集団訴訟で東電への賠償命令は7件連続。島村典男裁判長は判決で、原告が請求した避難に伴う慰謝料と「ふるさと喪失」慰謝料を合わせて算出。住民1人当たり1600万〜250万円としたが、東電が既に支払った分を差し引いた。


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