熊本で「水俣学」講座がスタート 「今の問題として考えて」 

 熊本学園大(熊本市)で21日、水俣病を多角的な視点で考える第16期「水俣学」の講座が始まった。水銀を包括的に規制する「水銀に関する水俣条約」発効後は初めて。この日は熊本学園大水俣学研究センター長の花田昌宣教授が講義し「水俣病は過去の話ではなく、今の社会の問題として考えてほしい」と学生ら約120人に投げ掛けた。

 水俣病は、原因企業チッソ(熊本県水俣市)の工場排水に含まれたメチル水銀が原因で、1956年に公式確認された。花田教授は、国や大企業が環境汚染に向き合わなかったことによる公害事件と説明。「感覚障害などに苦しむ人がたくさんいる」と強調した。


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