出光、合併の焦点は株主総会に 増資完了で環境整う 

 出光興産は20日、発行済み株式の3割に当たる新株を発行する公募増資が完了したと明らかにした。昭和シェル石油との合併に反対する創業家は、否決に必要な3分の1超の議決権比率を維持できなくなったとみられ、無期延期になっていた合併を進めやすい環境が整った。承認を得るための株主総会を開く時期が焦点となる。

 創業家は「6月の株主総会直後にだまし討ちのような公募増資だ。株主との信頼関係を損なうもので強く抗議する」と反発し、合併阻止の姿勢を強める。経営陣は協議を続けて理解を得たい考えだが「増資の強行で創業家との溝はかなり深まった」(金融筋)と先行きを懸念する見方は多い。


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