都内で詩人・大岡信さんを送る会 600人が人柄しのぶ 

 4月5日に86歳で亡くなった詩人の大岡信さんを送る会が東京都千代田区で開かれた。親しい文学関係者ら約600人が集まり、故人の業績をたたえ、その人柄をしのんだ。

 「大岡、君の訃に接して以来、俺の心はいっこうに静まらん」。文芸評論家の粟津則雄さんは、60年来の友の遺影に語り掛けるように弔辞を読んだ。初めて会ったときのエピソードを語り「少年のような初々しさと、恐ろしく老成したものとが結び付き溶け合った人柄は、くっきりと今も記憶に刻まれている」と振り返る。「実に多くのものを教えられ、実に多くの喜びを与えられた。今や別れの時だ」。哀切に満ちた言葉を述べた。


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