「名古屋議定書」を批准 遺伝資源の利益を分配 

 政府は19日、発展途上国などで入手した生物の遺伝子を利用して開発した薬などの利益を、提供国に適切に分配するルールを定めた「名古屋議定書」の批准を閣議決定した。近く国連本部に批准書を提出する。

 製薬会社や大学は日本の指針や提供国の国内制度に基づき、事前の契約手続きなどが求められるようになる。指針は日本が正式な締約国となる8月下旬から適用される。

 無断で生物を国外に持ち出す“海賊行為”に歯止めをかける一方で、豊かな自然を抱える途上国が正当な恩恵を受けられるようにする目的。得られた利益を生物多様性の保全に役立ててもらう狙いもある。


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