尾車親方、還暦に感慨 「喜怒哀楽全て土俵で味わった」 

還暦を前に弟子たちと笑顔で撮影に応じる大相撲の尾車親方。左端は豪風=25日、東京都江東区の尾車部屋

 5年前の4月に頸髄損傷の大けがを負い、一時は首から下がまひした大相撲の尾車親方=元大関琴風、本名中山浩一、三重県出身=が26日に60歳となる。苦難と闘いながらの還暦を控えた25日、「山あり谷ありの波瀾万丈過ぎる人生。喜怒哀楽の全てを土俵で味わった」と感慨に浸った。

 日本相撲協会の巡業部長だった2012年4月4日。福井県小浜市での興行の会場内で悲劇が起きた。歩いていたらシートに足を引っ掛け、前のめりで転倒した。「ものすごい衝撃で気を失った」と言う。救急車で搬送された病院で意識を取り戻したが、全く動かない手足に絶望した。


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