被災した大川小校舎を現状保存へ 石巻市方針、19年度完成 

 宮城県石巻市は28日、東日本大震災の津波で児童・教職員計84人が犠牲になった市立大川小周辺の整備方針案を示した。鎮魂や津波避難の教訓の場として校舎や既存の施設は極力手を入れず、現状の姿を残すことが柱。植林や休憩施設などの環境整備も行う予定で、2019年度中の完成を目指す。

 校舎保存に向けた検討会議の最終会合で、市が遺族らに公表した。

 方針案は、多くの犠牲者を悼み、避難の重要性を忘れない場所として被災校舎を位置付け、校舎や渡り廊下などを現状の姿で保存すると明記。周りに桜を植え景観に配慮するほか、遺族の要望を踏まえ、慰霊碑を整備エリア外に移設する。


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