水俣病患者ら、無念にじませ 石牟礼さん死去に 

 水俣病の世界を描いた作家石牟礼道子さんの10日の死去に、舞台となった熊本・水俣では、患者や支援者らが無念さをにじませた。「寄り添ってくれた」。患者らは、勇気をもらい作品を通じて水俣病の実態を国内外に伝えた偉業をたたえた。

 水俣市立水俣病資料館の「語り部の会」会長で、水俣病認定患者の緒方正実さん(60)は、認定申請が認められず、不安を抱えていた時、石牟礼さんが電話で「素直な気持ちを伝え続けることが大切」と応援してくれたことが忘れられない。「患者として自分の体験を伝える勇気を持てたのは石牟礼さんのおかげです」と感謝した。


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