2018年2月10日 10:48 | 無料公開
作家の池沢夏樹さんの話 親しい友人が亡くなってしまった。非常に残念だ。石牟礼道子さんの文学のキーワードは「辺境」であり「反近代」であり「人間」。世界がどんどん非人間的になっていく中で、人間とは何かを改めて示した。「水俣」は世界中にある。彼女の文学の原理の一つは、弱い者の側に立つということ。世界中の弱い者、例えば難民たちにも彼女の心は届く。作品の普遍性はそこにある。だから世界文学なんです。文学者が亡くなっても、書いた物は読めるということは救いだ。彼女の作品がもっと広く読まれることを願っている。