戦没者遺骨、歯の元素で識別へ 厚労省、新手法で作業進める 

厚労省の吉田和郎課長(左)に要請書を手渡す韓国の市民団体代表者=8日、国会

 太平洋戦争の戦没者遺骨収集を進める厚生労働省は8日、フィリピンで収集した遺骨に現地人の骨が混入していた問題に対処するため、歯や骨に残る元素の比率を解析し、育った環境や地域を識別できる安定同位体比検査を導入する研究費として、来年度予算に500万円を計上すると明らかにした。

 フィリピンでは、厚労省が2009年度から委託したNPO法人「空援隊」(東京)が集めた骨に現地人のものが混入していた。多くの骨は今も現地で保管されており、同省はこの検査方法を用いて、遺骨が日本兵のものか選別作業を進める。

 沖縄県で発見した戦没者遺骨の判定に使い、米兵と分かったケースもある。


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