iPS移植で初の重篤症状 目の病気、臨床研究 

記者会見する理研の高橋政代プロジェクトリーダー=16日午後、神戸市

 神戸市立医療センター中央市民病院と理化学研究所などのチームは16日、他人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った網膜の細胞を、重い目の病気の患者に移植した世界初の臨床研究で、患者1人に網膜がむくむ症状が出たと発表した。理研によると、安全性などを確かめるiPS細胞の臨床研究で、重篤な事例の発生は初めて。原因の一つとみられる「網膜前膜」という部分の除去手術を15日に行った。

 理研の高橋政代プロジェクトリーダーは記者会見で「iPS細胞との因果関係は否定できない。入院を伴うため重篤のカテゴリーに当たる」としたが、「緊急性や生命への影響はない」と説明した。


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