被災地発ドキュメンタリーが完成 神楽が伝える三陸の営み 

ドキュメンタリー映画「廻り神楽」の一場面。神楽衆が「神楽念仏」を唱えて過去の津波犠牲者を悼む((C)ヴィジュアルフォークロア)

 東日本大震災で大きな被害が出た岩手県宮古市に、300年以上前から伝わる黒森神楽の巡行を通して、被災地で生きる人々の営みを描いたドキュメンタリー「廻り神楽」が完成した。来年1月には初めて県外でも上映され、共同監督の遠藤協さん(37)は「悲劇と再生に寄り添ってきた、三陸の神楽文化を知ってほしい」と話す。

 国の重要無形民俗文化財にも指定されている黒森神楽は、年明けから約3カ月、権現様と呼ばれる2頭の獅子頭を伴い、地域のさまざまな願いに応じて舞う。沿岸南部と北部を隔年で巡り、遠藤さんは2017年の南回りに同行。撮影には準備も含め半年ほどかかった。


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