現代アートの「ドラえもん展」 六本木、絵画・写真・彫刻… 

小谷元彦さんの作品「救世銅鑼エ門(ぐぜどらえもん)」=東京・六本木の森アーツセンターギャラリー

 日本を代表する現代美術家らが、ドラえもんをテーマに制作した作品を展示する「THE ドラえもん展」が東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで開催されている。絵や写真、彫刻などの一線で活躍するアーティストの感性が、誰もが知る「国民的キャラクター」に新たな魅力を吹き込んでいる。

 参加したのは若手からトップアーティストまで28組30人。「ドラえもんの世界観がどれだけ素晴らしかったかが伝われば」というアーティストの村上隆さんは縦3メートル、横6メートルの巨大な作品に、その思いを込めた。花畑の中で登場人物たちがさまざまな表情を見せる。藤子・F・不二雄さんも描かれているといい、その姿を探すのも楽しそうだ。

 しずかちゃんを作品の中心に据えたアーティストの鴻池朋子さんは「藤子先生はしずかちゃんにすごく気を使って描いている。それが何かを知りたかった」と話す。

 一方、美術家の奈良美智さんはドラミちゃんを描いた。ジャイアンにリボンを取られ、涙を浮かべながらも、すべてを見透かしたような表情だ。

 ドラえもんこそが理想の男性像という写真家蜷川実花さんは、水族館やボウリング場での「1日デート」を写真に収めた。ドラえもんを「猫と人間の融合」として捉えた美術家小谷元彦さんの立体造形のほか、しりあがり寿さんの映像作品も見応えがある。会期は来年1月8日まで。観覧料は一般1800円。


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