司馬さんの手紙を初公開 編集者に「作家になった」 

司馬遼太郎さんが谷田昌平さんに宛てた手紙。「作家になった」という気持ちをつづっている(神奈川近代文学館蔵)

 作家の司馬遼太郎さん(1923~96年)が担当編集者に送った書簡1通が、町田市民文学館ことばらんど(東京都町田市)で初公開されている。40歳の頃、出版されたばかりの自作短編集に手応えを得て「作家になった、という気持がしています」などとつづっており、後に国民的作家へと飛躍することを予感させる貴重な資料だ。

 書簡は64年8月6日付。新潮社の編集者だった谷田昌平さん宛てで、原稿用紙1枚に記されていた。谷田さんが97年に神奈川近代文学館(横浜市)に寄贈したが、存在がほとんど知られていなかった。

 当時司馬さんは直木賞を受賞していたが、「竜馬がゆく」は連載中だった。


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