日章旗、元米兵から遺族に 弟「兄のにおい」と感謝 

元米海兵隊員のマービン・ストロンボさん(中央)から日章旗を返還された安江定男さんの弟辰也さん(左)=15日午前、岐阜県東白川村

 太平洋戦争中に戦地から日章旗を持ち帰った元米海兵隊員のマービン・ストロンボさん(93)が15日、岐阜県東白川村を訪れ、持ち主だった安江定男さん=享年25歳=の遺族に面会、日章旗を返還した。

 安江さんの弟辰也さん(89)ら遺族は日章旗を何度も顔に押し当て、涙をにじませた。辰也さんは「頼りになる優しい兄だった。大切に保管してくれたおかげで兄の肌のにおいがするようだ」と感謝を伝えた。

 ストロンボさんは安江さんが迫撃砲によって亡くなったとみられることなどを説明。「遺体に目立った傷はなく、眠るようだった。日章旗は必ず家族の元に返すと言葉を掛けた」と話した。


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