皇室と国民、溝埋まった 御厨貴氏、制度の議論継続を 

インタビューに答える東大名誉教授の御厨貴氏

 天皇陛下のビデオメッセージから8日で1年。退位を巡る有識者会議で座長代理を務めた東大名誉教授の御厨貴氏がこの1年を振り返った。

 「皇室との間の溝が少しずつ埋まり、国民が能動的に皇室制度に関われることが分かった」と語り、皇族減少などの課題に今後も議論を続けることの重要性を強調した。

 御厨氏は今年6月に退位の特例法が成立したことについて「普通の政策でもこんなにスムーズにいかない。もっともめると思ったが、意外にうまくいった」と評価。

 一方で「メッセージで陛下が提起された象徴天皇の在り方などの問題は、有識者会議での議論をネグレクト(放棄)した」と打ち明けた。


  • LINEで送る