抗がん剤、副作用で心筋症 仕組み解明、安全使用に期待 

 全身に転移したがんに有効とされる抗がん剤「アドリアシン」(一般名ドキソルビシン)の副作用で心筋症が発症するメカニズムを、自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)の西田基宏教授(薬学)らの研究グループが明らかにし、3日発表した。

 グループは「副作用を抑える薬ができれば、抗がん剤を安全に使い続けることができる」と期待している。

 マウスにアドリアシンを2週間投与したところ、心筋細胞の細胞膜にある「TRPC3」というタンパク質が増加。これが近くの酵素と結びついて発生する活性酸素が心筋細胞を萎縮させるとみられ、マウスの心臓が約2割軽くなったという。


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