「疾風ロンド」DVD化 サスペンスと笑いを融合 

 人気作家東野圭吾の小説を阿部寛主演で映画化した「疾風ロンド」のブルーレイ、DVD発売に合わせ、吉田照幸監督が「サスペンスとコメディーの融合を目指した。見た後に『すごい』じゃなくて、単純に『面白い』と言われたかった」と作品への思いを語った。

 研究施設から盗まれ、広大なスキー場に隠された危険な生物兵器を、スキーが苦手な、さえない中年研究員(阿部)が追う物語。NHKで異色のコント番組「サラリーマンNEO」を手掛け、連続テレビ小説「あまちゃん」の演出も担当した吉田監督が、原作以上の笑いの要素を盛り込んだ。

 阿部について、吉田監督は「不器用で一生懸命取り組むことで、(演じる人物が)面白くなっちゃう」と評する。雪穴に2度続けて落ちるシーンも2度目は阿部のアドリブだそうで、「はい上がる姿がおかしくてカットをかけるのを忘れていたら、何かやらなきゃと思ったようで」と笑う。

 捜索を手伝うスノーボード選手を演じる大島優子らの、雪上の追跡シーンは臨場感あふれる。身に着けて撮影できるウエアラブルカメラで地元スキーヤーが、滑りながら撮影したという。「大御所カメラマンに『何か他に(撮影アイデアは)ないのか』と追い詰められて提案したが、(映像を)見てびっくりした。スキー場を知り尽くした地元の方のおかげです」

 DVD、ブルーレイは東映ビデオから28日発売。


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