底が見えない魅力を体感 「山田孝之3D」両監督 

ドキュメンタリードラマ「山田孝之のカンヌ映画祭」のブルーレイ&DVDBOX

 テレビ東京の深夜番組「山田孝之のカンヌ映画祭」をきっかけに誕生した「映画 山田孝之3D」が完成。二つの作品の鍵となった俳優・山田孝之の魅力について、松江哲明、山下敦弘両監督が「現実離れしているようで、人間くさい部分もある。いくら撮っても底が見えない」と語った。

 昨年夏、山田は「カンヌで賞を取る」という目標を掲げ、親交のある山下監督や芦田愛菜を巻き込んで映画「穢の森」の製作を試みる。「山田孝之のカンヌ―」は、その過程を松江監督のカメラが追った“ドキュメンタリードラマ”だった。

 映画の舞台でもないカンヌを「下見」したり、降板した女優の代役に人形を起用したりと、どこまで現実なのか分からない展開が物議を醸したが「筋書きを立てて撮影したわけではない。全て現実です」と松江監督。

 予測不能な展開の原動力となったのが山田だ。作中で型破りな製作スタイルに振り回され続けた山下監督は「彼が言うと、突拍子もないことも真実に聞こえる。フィクションを現実に引っ張り込む力がある」と話す。

 「穢の森」が頓挫した後、誕生したのが「山田の思考を体感する」この映画。3Dを駆使して壮大な“山田孝之宇宙”を表現し、実際にカンヌ映画祭にも応募した。松江監督は「新しい表現の引き出しを開けさせてもらった」と話した。

 映画は東京、大阪などで16日から公開。ドラマはブルーレイ&DVDBOXが発売中。


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