大阪の母子放火殺害、無罪確定へ 高検が上告断念 

 大阪市のマンションで2002年4月に起きた母子殺害放火事件で、殺人などの罪に問われた刑務官森健充被告(59)=休職中=を無罪とした大阪高裁の差し戻し控訴審判決について、大阪高検は15日、上告を断念した。被告の無罪が確定する。同日遺族にも伝えた。

 2日の高裁判決は、複数の状況証拠を根拠とした検察側の有罪主張に対し、被告が犯人とする推認には結び付かないとして全面的に退けた。

 上告には高裁判決に憲法違反や重大な事実誤認などがあることが要件となる。上告期限は16日で、捜査関係者によると、高検が最高検と協議した上で、無罪を覆すのは困難と判断した。


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