認知症で異例の公訴棄却 札幌高裁「公判再開は不可能」 

 窃盗罪で有罪判決を受け控訴した後、認知症で公判が継続できない状態になり、裁判が3年以上にわたり停止していた男性(65)=入院中=の控訴審で、札幌高裁(高橋徹裁判長)は14日、公訴を棄却する判決を言い渡した。

 関係者によると、病気で裁判が継続できなくなり、裁判所の判断で公訴が棄却されるのは異例という。被告自身が控訴していたため、本人の同意なしに控訴を取り下げて裁判を終わらせるのが難しい状況になっていた。

 高橋裁判長は判決理由で「被告の完治が見込めず、訴訟能力も失われている。公判手続きを再開するのは不可能」と結論付けた。


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