自動車ベア、前年割れも 円高で業績振るわず 

 自動車各社の2017年の春闘交渉は最終盤を迎えた。賃金体系全体を底上げするベースアップ(ベア)は、トヨタ自動車が月額1300円と前年を200円下回って妥結する方針が固まり、日産は前年の満額回答を見送る方向で調整している。各社とも4年連続でベアを実施する見通しだが、前年割れの社も相次ぎそうだ。

 今春闘で労組側はそろって前年と同じベア3千円を要求した。ただ、17年3月期決算は円高による業績悪化が見込まれるほか、トランプ米大統領の通商政策が不透明なこともあり、経営側にはコストアップ要因となるベアに対して慎重な姿勢が目立つ。


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