作家の林京子さんが死去 長崎での被爆体験つづる 

死去した林京子さん

 長崎での被爆体験をもとにした小説「祭りの場」などで知られる作家の林京子(はやし・きょうこ、本名宮崎京子=みやざき・きょうこ)さんが2月19日に死去したことが1日、分かった。86歳。長崎市出身。葬儀・告別式は近親者で行った。

 子ども時代を上海で過ごし、1945年に帰国して間もなく被爆。30年後、爆心地付近をさまよったときの様子をつづった「祭りの場」で芥川賞を受賞した。

 内部被ばくの恐怖と向き合いながら、人類が犯した罪への怒りを書き続けた。「三界の家」で川端康成文学賞、「やすらかに今はねむり給え」で谷崎潤一郎賞、「長い時間をかけた人間の経験」で野間文芸賞。


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