昭和基地からライブ授業 南極の土も発電します 

「南極授業」の最後に、奈良県立青翔中学・高校の生徒たちに手を振る生田依子教諭(前列左)ら=9日、南極・昭和基地(共同)

 第58次南極観測隊に同行している奈良県立青翔中学・高校の生田依子教諭(40)が9日、衛星回線で昭和基地と同校の会議室を結び、生徒に「南極授業」を行った。基地から見える白一色の景色の映像に生徒ら約50人から歓声が上がった。

 生田教諭は生物を担当。土壌の微生物が発電する仕組みを利用した再生可能エネルギーの研究を指導しており、南極での実験結果を披露した。

 基地の汚水処理場の泥やペンギン営巣地などの土壌から発電できたことを装置や写真を使って示し「土に生物活動があるかどうかが鍵になると分かった。続きはみんなが研究者になってぜひやってほしい」と語った。

 生田教諭と研究を行う生徒のグループも、校内の土で実験が成功したことを報告。中学3年の尾上尚吾さん(15)は「僕たちの研究が南極の実験の成果に結びついてうれしい」と話した。

 この日の昭和基地は秒速20メートルほどの強風が吹き、授業は屋内で実施。観測隊員らが撮影や通信などをサポートした。生田教諭は「久しぶりに生徒たちの姿を見て、成長ぶりに涙が出そうになった。挑戦すれば世界が広がることを生徒たちも実感したと思う」と話した。

 観測隊への教員派遣は2009年から行われ、今回は生田教諭と宮城教育大付属中の教諭が参加している。3月下旬の帰国が予定されている。


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