2017年2月8日 19:53 | 無料公開
iPS細胞などを大量培養するために開発された、ナノファイバーを使った布を手にする京都大の亀井謙一郎特定准教授=8日午後、京都市
京都大の亀井謙一郎特定准教授(幹細胞工学)らは8日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を大量培養するための“足場”となる布を、ナノファイバーなどを使って開発したと発表した。肌着大手グンゼとの共同開発で、コスト軽減につながるという。
亀井特定准教授によると、布はゼラチンや合成繊維でできており、厚さは1ミリ弱。細胞を表面に付着させてから、培養のための液を入れた袋の中に複数枚、折り畳んで入れるなどする。
人のiPS細胞で心臓や肝臓などの組織を臨床応用に向けて作った場合、培養皿を使った方法では患者1人につき皿が千枚以上必要。開発した布だと実施スペースが小さくて済む。