北海道、減らぬタンチョウ事故死 JR、減速走行に慎重 

JR根室線で、迫る列車から逃げるタンチョウ(左端)=6月、北海道厚岸町(厚岸水鳥観察館提供)

 北海道のJR根室線の特定区間で特別天然記念物のタンチョウと列車の衝突事故が後を絶たない。列車の減速走行で改善が見込めるが、JR北海道は「特急との接続や列車のすれ違いに支障が出る」(釧路支社)と慎重姿勢で、保護に当たる環境省などが頭を悩ませている。

 北海道東部に生息するタンチョウは、1993年から保護増殖事業が進められ、個体数は当時の推定約500羽から約1500羽まで回復した。現在は生息地の分散や感染症の予防、列車や電線との衝突防止が課題となっている。

 環境省によると、2002年度からの10年間で列車事故は30件、うち厚岸―糸魚沢間での発生が3割。


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