世田谷で北杜夫さんを「語る会」 友人ら人柄しのぶ 

北杜夫さんを「語る会」であいさつする長女の斎藤由香さん=5日夜、東京都世田谷区の世田谷文学館

 昨年10月に84歳で死去した作家の北杜夫さんを「語る会」が5日、東京都世田谷区の世田谷文学館で開かれ、友人らがその人柄をしのんだ。

 青春時代から親交があった作家で医師のなだいなださんは、互いに貧しかった医局員時代、北さんからうなぎをごちそうされたエピソードを披露した。「『どくとるマンボウ航海記』が売れる前におごってもらった例は少ないはず。北さんは『(父親の)斎藤茂吉はいつも小さいうなぎしか食べない。茂吉に倣いたかったら一番小さいのを頼め』と言った。うなぎを食べると今も、茂吉の話を思い出す」と語った。


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