北極の海氷が最小記録更新 気温上昇が影響 

北極海の海氷分布(白い部分)。左は米国の衛星データを基に分析した1980年代の9月最小時期の平均的な分布。右は水循環変動観測衛星「しずく」などのデータを基に解析した9月16日の分布。黒い部分は衛星で観測できなかった部分、中央の黒い点は北極点付近(宇宙航空研究開発機構提供)

 宇宙航空研究開発機構は20日、北極海を覆う海氷の面積が16日現在で349万平方キロに縮小し、最小記録を更新したと発表した。北極域では17日以降、気温が下がり始め海氷面積は増加に転じており、今年はこれ以上小さくならないとみられる。

 宇宙機構は、1980年代以降、北半球の気温上昇に伴って海氷が徐々に薄くなり、気温や海水温の影響を受けやすい状態に変化してきたと推定。「特に今年は、昨年夏以降にできた氷が多く、夏には大型の低気圧が発生し海氷が解けやすかった」と指摘している。

 昨年まで最小記録だったのは2007年9月の425万平方キロ。


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