地層「天然記念物に」 時代境界、国指定も 市原市

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 地質時代の基準となる境界が存在する場所として、国際的に認められる可能性がある市原市田淵の地層を巡り、市が一帯を「貴重な歴史遺産」と捉え、国の天然記念物への指定を目指すことが23日、分かった。地質時代の一区分に「千葉時代(チバニアン)」の名を刻む取り組みと方向性は異なるが、地層の価値が国内外で評価され、二つの吉報がもたらされるか、今後さらに関心が高まりそうだ。

 同市田淵の地層には、堆積する約77万年前の火山灰層付近で、地球で繰り返された地磁気逆転の最後の痕跡が存在。この時期は新生代第四紀更新世(約258万~1万1700年前)の前期と中期の境界で、最も観察しやすい世界基準の場所と認められれば、呼び名がなかった中期が「千葉時代」と命名される。

 ライバルはイタリアの2カ所。これまでに各国の地質学者らによる現地視察などが行われ、3候補地の絞り込みが進められてきが、結論は数年前から繰り返し先送りに。関係者の間では、最終判断を下す国際地質科学連合(IUGS)の動向に注目が集まっている。

 こうした中、市は地権者の同意があり、活用が見込める範囲について、国の天然記念物への指定を目指すことを計画。また、周辺の貴重な歴史遺産として(1)石神台遺跡(2)琵琶首館跡(3)萬蔵寺廃寺跡(4)白尾の川廻し跡-を示し、一帯の価値を高める方針という。

 市は今後、千葉県教委や地元と協議の上、3月末までに指定対象地域を設定。一方で保存活用計画の検討も進め、7月末までには県教委を通じて文化庁に意見具申書を提出する予定だ。

 市教委ふるさと文化課は「一帯には地域資源があり、(地質時代の一区分に)登録されるか否かにかかわらず、その魅力を発信していきたい。国の天然記念物に指定されれば、地域活性化にもつながるのではないか」としている。

◆地質時代
 地球の歴史を時期ごとの特徴で区分したもの。約258万年前から現在に至る人類の時代、新生代第四紀は最も新しい完新世とそれ以前の更新世に分かれ、更新世も前・中・後期がある。地質時代の名称は境界が明確に判別できる世界基準の1カ所にちなみ、前期はイタリアの地層から命名。続く中期の呼び名はなく、3候補地での争いが繰り広げられている。