国内唯一の水あめ専業 多彩な製品、出荷形態 向後スターチ(旭市) 【もっと伝えたい千葉がある ちばの元気企業】

  • 0
  • LINEで送る

 かつてサツマイモを使った澱粉(でんぷん)・水あめ製造が盛んだった旭市飯岡地区。向後スターチ(同市、向後久雄社長)は、その名残をとどめる会社だ。現在はトウモロコシを原料にした澱粉(コーンスターチ)や水あめを製造。国内唯一の水あめ専業メーカーとして、用途に合わせた多彩な製品で顧客の需要に応えている。

 飯岡地区はかつてサツマイモ栽培が盛んで、明治時代から澱粉の製造業者が集まっていた。向後社長の祖父・久三郎さんが1912年、サツマイモ澱粉の製造を個人で始めたのが会社の起こりだ。

 戦後、甘味料が不足する中、同地区ではサツマイモ澱粉を使った水あめ作りが広がった。同社は50年に向後澱粉工場として株式会社化し、水あめ製造に着手。64年には現在地に工場を建設、機械化も進めた。

 作物転換でサツマイモが栽培されなくなり、地域の澱粉製造業は次第に衰退した。一方、同社は67年、澱粉の原料をトウモロコシに切り替え、水あめ製造を継続。数年後にサツマイモ澱粉の製造をやめ、95年には現社名に変更した。

 一般的なコーンスターチ製造会社は製品を外部向けに販売するが、同社では9割を自社で水あめに再加工して販売している。2016年6月期の売上高は29億7千万円で、このうち24億円を水あめが占める。

 国産原料にこだわった水あめや、風味が良く和菓子などに使われる麦芽を使った水あめなど、多彩な製品を生産。出荷形態も多様で、タンクローリー車や千リットルコンテナのほか、一斗缶や2キロの小缶などを用意している。水あめのシェアは国内で5%強だが、缶詰めだけでみると3割以上を誇る。

 向後社長は「食品の原料は、安心して取引していただける『信頼』が大事。これからも良い商品を作っていきたい」と意気込む。