銀幕への誘い


イクメンが探る食の安全 パパ、遺伝子組み換えってなぁに?

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映画「パパ、遺伝子組み換えってなぁに?」より

 人はおいしい食事をすると笑顔になる。それには安全性の担保が前提であろう。子どもの影響で遺伝子組み換え(GM)食品の世界に興味を持った環境活動家ジェレミー・セイファート監督。母国アメリカを皮切りに家族と世界へ取材に飛び、気付かぬまま食卓に浸透している実情を記録する。

 監督はGM市場シェア90%の種子会社やノルウェーの種を保管する巨大な冷凍貯蔵庫、GM食品の長期給餌の実験を行ったフランスの教授などを訪ねる。

 全米で生産されるトウモロコシの85%、大豆の91%がGM。家畜の飼料にまで使用されている事を鑑みれば、ほぼ全ての食べ物に使用されているといえよう。だが、住民の多くが同食品の存在すら知らず、「安くていい」。そして、監督の子どもたちはおいしそうにアイスを頬張る。終盤に紹介されるGM食品を投与され続けた奇形ラットの姿に背筋が凍る。

 一方で、大地震に見舞われた中米ハイチでは援助物資のGM種を燃やした。EUでは食品に表示が義務づけられ、一般の農家で栽培は行われていない。だが、家畜に使われるケースがあり、完全に防ぐ事は不可能だ。地域により大きな差異のある意識。健康への影響を知ろうと種子会社に取材を申し込んでも門前払いされる。徹底した情報不開示が、消費者の不安感をあおっているように思える。子の成長は親にとって最高の喜び。食の安全を求める監督の旅は続く。

 【メモ】13年アメリカ、ハイチ、ノルウェー。上映87分。都内の渋谷アップリンク、名古屋名演小劇場ほか全国順次公開。