『唐沢流 自然観察の愉しみ方』 (唐沢孝一著)

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 唐沢氏と同行していると、観(み)る視点が違うことに驚く。例えば、ある鳥がうろうろ歩いているとする。私は何の鳥か分かれば満足してしまう。しかし、彼は何をしているのだろうかと観る。その時すでに何の鳥で、虫を探していて何を捕ったかまで観ようとしている。優れたカメラワークでくちばしに虫が写っている。そこに彼の愉(たの)しみ方がある。

 鳥の雑誌『BIRDER』(文一総合出版)に連載した中から25編を精選したもので、前述したような奥深い観察の珠玉である。

 結局は「人それぞれ自由に自然観察してほしい」ということである。人は年齢を増すごとに前とは違った見方をするし、目的によっても異なる。じっくりと長期間、予測などを試みて愉しむことを示唆している。

 (地人書館=東京都新宿区中町15・1944円)

 (川名興)