忙人寸語

忙人寸語(2017年3月16日)

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 東日本大震災による福島第1原発事故からの復興に尽力している福島県の人たちが、3月11日前後に相次いで本県を訪問。各地で開かれた復興支援イベントで、ふるさとの現状を話してくれた

▼介護福祉士の大井千加子さん=南相馬市=は、勤務先の施設が大津波に襲われ全壊。自身は九死に一生を得たが、利用者ら36人が犠牲に。3世代9人で暮らしていた家族は、今も市内外でバラバラの避難生活を続けている

▼病院、介護施設は復旧し「ベッド数は十分にあるが、(避難先から戻れず)スタッフがいない」。ハコ物が整っただけでは「復興とはいえない」と指摘する

▼今月末の避難解除が決定した飯舘村の菅野典雄町長は「来年4月に学校を開校するが、子どもが何人戻って来るか分からない。学校のない自治体に未来はない」。手放しで避難解除を喜べない現状を口にした

▼さらに不安は続く。「村のアンケートでは『戻りたい』と回答した人は3割。ほかの災害なら6割は戻るが、これが放射能災害の特異なところ」。原発被害の根深さに苦渋の表情を浮かべていた

▼「世の中いろいろな事が起こっているけれど、被災地のことを忘れないでほしい。時間がたって忘れられることが怖い」と訴えた人もいた。特別な活動ができなくても、被災地を思うことで、現地の人たちの支援になっていることを知ってほしい。