忙人寸語

忙人寸語(2017年3月9日)

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 国民的な長寿テレビ番組『笑点』は、当時の人気小説『氷点』(三浦綾子著)をもじってつけたという。何かの本で読んだ

▼腹から笑う、心が凍るポイント(点)は、いずれも人がつくる。『笑点』は落語家の話芸が、『氷点』では閨秀(けいしゅう)作家の筆法が、観客と読者の喜怒哀楽を誘うのである。これは並大抵の才能ではない

▼さて、選挙といえば争点である。きょう告示の知事選は、現職の森田健作氏と新人3人の立候補が見込まれ、最大の争点は森田県政2期8年の評価。各社の紙面では常套(じょうとう)句のそで見出し「継続(3選)か刷新か」を使うことになろう

▼最大争点に関して<百も承知、二百も合点>と、投票を棄権すれば論点はぼやける。前回(2013年)の投票率は31・96%と低迷した

▼私たちマスコミ機関は、26日の投開票日までさまざまな観点から諸氏公平に知事選を点描していく。次代のリーダーを選ぶ際の生きた情報として役立ててほしい

▼ドイツの社会学者、マックス・ウェーバー(1864~1920年)は名言を残す。「政治とは、情熱と判断力の二つを駆使しながら、堅い板に力をこめてじわっじわっと穴をくり貫いていく作業である」。擬態語からも大変な仕事である。県内の各投票所の前に有権者の足跡が点々と続けば、選ばれし者はその支持を力に県政運営の『焦点』を絞りやすくなるだろう。