忙人寸語

忙人寸語(2017年2月24日)

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 江戸時代から続く下町・深川にあり、美術館やギャラリー、カフェが点在する東京都江東区の「清澄白河」は、そぞろ歩きにちょうどよい。新旧が魅力的に溶け合い、アートがよく似合う街といえるだろう

▼地元にある東京都現代美術館が開催中の都市型アート・プロジェクトが「MOTサテライト2017春」(3月20日まで)だ。大規模改修のため長期休館中の美術館が外に出て、七つの拠点を設けて作家や住民とともに街の魅力を掘り起こそうと試みる

▼テーマは「往来往来」。古いものと新しいもの、人々の思いや記憶の往来、新たな往来への出発を意味する。古き良き下町の風情の半面、タワーマンションが建ち並ぶが、人と人のつながりは活発という

▼「深川八幡祭りのようなシステムがあることでコミュニティーが機能しているんです」。この地域の現況をあぶり出そうと、新旧住民へのインタビューで構成した映像作品を発表する作家の言葉が印象に残った

▼地方は相変わらず商店街のシャッター通りが目立ち、里山は過疎化や高齢化に悩んでいる。下町文化から何か学ぶものがありそうだ。コミュニティーの在り方は、どこでも共通する課題なのだから

▼地域に対してアートは何ができるのか。ことしは「いちはらアート×ミックス2017」も開催される。ここでもアートが人と人をつないでくれればよいのだが。